[開催レポート] CMSI産官学連携シンポジウム 「計算シミュレーションの新たな産業応用への展望」
●2011年2月7日
CMSI産官学連携シンポジウム「計算シミュレーションの新たな産業応用への展望」
場所:秋葉原コンベンションホール
産官学連携小委員会が企画し、CMSIが主催する産官学連携シンポジウムには、産官学の関係者150名が集まりました。今回の目的は、計算シミュレーションの産業利用の現状を、産、官、学それぞれの立場から検証し、今後のあるべき方向を議論することでした。
文科省の計算科学技術推進室長は、「“京”を中核とした大規模スパコンプロジェクトでは、産官学が連携し、国家の産業競争力を高めることが必要」と、行政の指針を示されました。これを受けて基調講演では、「スパコンの産業活用で日本が世界をリードするためには、大規模に並列化されたスパコンを最大限に活用できるソフトを効率的に開発しなければならない」と、大規模ソフト開発の課題が掲げられました。
その後に立った講演者からは、「大規模計算ソフトを開発・維持・管理し、産業に活用していく戦略的な仕組みの構築」、「実験家との密な連携によるターゲットの設定」といった具体的な取り組みが提案されました。夕方から始まったパネル討論では、「利用者視点に立ったプログラムの整理と提供」、「産官学間の人の移動や交流促進の場の創出」といった問題が議論され、最後の意見交換会では、講演者と参加者間でも活発な意見が交わされました。
*招待講演の内容はこちらで紹介しています。
招待講演1: 新物質・エネルギー創成研究者が期待する計算科学 (橋本和仁 東京大学)
招待講演2: HPC Challenges for the Next Decade and Beyond-From Discovery to Applications at the Nano-Bio-Med Frontier (Michael L. Klein, Institute for Computational Molecular Science,Temple University)