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CMD®18ワークショップ体験レポート

人を育てる

島 宏美 しま ひろみ
東京理科大学 理学研究科物理学専攻(当時)


CMSIが共催する第18回コンピュテーショナル・マテリアルズ・デザイン(CMD®)ワークショップが3月8日~12日、国際高等研究所で開かれました。実際にスパコンで計算して物質を設計することに重点を置いたワークショップで、これまでに大学、企業から700名余りが受講しています。今回のワークショップに参加した島 宏美さんが、その様子をレポートします。

 

ワークショップ

私は強誘電体薄膜や圧電体に関する材料の研究を行っています。俗に言う「実験屋」です。今回のワークショップに参加しようと思ったのは、計算を始める「とっかかり」が欲しかったのです。材料の探索では、2種類以上の材料を組み合わせ、目的の物性値を達成することがよくあります。この際、どの組み合わせが良いか計算によりある程度予測できれば、格段に研究の効率をあげることができるはずです。そのための勉強をしなければと、何度か机に向かったことはあるのですが、なかなか持続することができませんでした。
ワークショップに申し込んだものの、あまりに初心者過ぎて、講義や実習についていけるかどうか不安でした。実習では、UNIXでの操作自体が初めてでしたので、言われた通りにひたすらキーボードをたたいているというありさまでした。しかし、それぞれのコードで一連の計算を終える頃には、だんだんと自分が何をしているのかがわかってきました。これは、講師の先生方が基礎からとても丁寧に説明され、かつ、それをフォローするチューターの方がいて、といった実習スタイルによるのだろうと思います。5日間のワークショップで3つの計算コードを習ったのですが、その順番も非常に考えられているなと、自習を終えた今になって感じています。これでCMD®手法を完璧に理解し、実際に自分の材料系で計算を行えるレベルになったとは言えませんが、計算に関して門外漢だった私が、初級者程度のレベルになったと思います。今後も興味をもって取り組める確かな手応えを得られたのが何よりの成果でした。

撮影:下司雅章(大阪大学)

 

チュートリアル・コース

(受講生の希望により選択できる)

計算機ナノマテリアルズデザイン
基礎チュートリアル・コース
・CMD®先端事例の講義と特別講演
・第一原理計算の基礎理論講義
・第一原理計算入門実習
( 3種類のコード)
計算機ナノマテリアルズデザイン
専門チュートリアル・コース
・CMD®先端事例の講義と特別講演
・CMD®実習
( 5種類のコードの中から2種類を選択)
計算機ナノマテリアルズデザイン
先端チュートリアル・コース
・CMD®先端事例の講義と特別講演
・CMD®実践研究
計算機ナノマテリアルズデザイン
スーパーコンピュータ・コース
・CMD®先端事例の講義と特別講演
・CMD®実習(RSPACE)

定員:25名
参加費:受講費は無料
( 旅費・食事代は受講生負担)