未来社会をうるおす水路を切り拓く
~基礎科学の源流を応用研究の奔流へ~
CMSI 統括責任者 常行 真司
( 東京大学 物性研究所 / 大学院理学系研究科 教授) |
科学においては長い間、理論と実験がふたつの主要な方法とされてきました。しかし、21世紀の私たちはこれに加えて第3の方法を手にしています。それが高い処理能力をもつコンピュータをフルに活用した計算です。シミュレーションや統計処理などの計算を道具として進める物質科学、すなわち「計算物質科学」は、理論と実験をつなげ、科学や技術の次なる扉を開きます。扱うのは原子1個から実用的な材料まで。計算物質科学は高性能コンピュータが可能にする新しいサイエンスです。 |