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第 3 回CMSI研究会 レポート

「超並列計算が拓く新しい計算物質科学」

第3回CMSI研究会は、2012年12月3日~5日、自然科学研究機構・岡崎コンファレンスセンターで開催さ
れ、100名をこえる研究者が集まりました。
例年通り、この1年間の成果が各研究課題の代表者から報告されたほか、今回は一般投稿の中から発表課題を募りました。これは、研究者の発掘と育成をめざすCMSIの活動を一歩前進させたもので、運営面でも16名の拠点研究員が座長を務めて進行を担うなど、若手研究者を積極的に登用しています。
招待講演では、理研・計算科学研究機構(AICS)の黒田明義氏が、「超並列でFFTは高速に動かせるか?」と題して、平面波基底密度汎関数法において、多軸の並列化により「京」全系で20%以上のピーク性能比が達成できたことを紹介し、3次元分割のFFTライブラリを利用することでさらなる性能向上が期待できると、今後の展望を説明しました。
京都大学の田中功教授は、「第一原理計算に基づいたマテリアルズ・インフォマティクス」と題して、マテリアルズ・インフォマティクスが新材料の開発につながる手法として重要性を増していること、研究者が海外と比較してきわめて少なく、研究・人材両面での育成が急務であると、熱く訴えました。
また、HPCIコンソーシアムとの共催で、「将来のスパコンのありかた検討会」が開かれました。パネリストは、京都大学・中島浩教授、理研AICS・南一生氏、物性研・川島直輝教授、京大・田中功教授、分子研・信定克幸准教授、物性研・藤堂眞治特任教授。初日のプログラム終了後の開催であったにもかかわらず、会場の参加者と活発な議論が展開されました。
CMSIレポート写真1

 

 

 

 

 

 

ポスターセッションでは、35歳以下の若手研究者を対象に優れた研究に贈られる「ポスター賞」もいまや定番となり、若手研究者はそれぞれ工夫を凝らして発表を行い、ポスターの前で真剣に議論している姿が随所で見受けられました。
今回から、受賞対象をポスターだけでなく講演まで広げ、新たに「若手奨励賞」と「ビジュアル賞」が設けられました。受賞者と研究課題はP20で紹介しています。