アプリケーションってなんだろう

ソフトウェアとハードウェア

パソコン本体のような「形あるもの」をハードウェア、そこに搭載されている「形のないもの」をソフトウェアと言います。ソフトウェアは、基本ソフトと応用ソフトに分けることができます。WindowsやMacといったOSが基本ソフトです。その上で動作するメールソフトやブラウザなど、直接私たちが操作するのが応用ソフト、つまりアプリケーションです。　計算科学分野では、物質の性質を予測したり、複雑な化学反応を解析したりするアプリケーションが開発、利用されています。

プログラム

ソフトウェアの設計図にあたるのがプログラムです。CMSIのメンバーは毎日プログラムを書いてアプリケーションを作成、改良しています。最先端のコンピュータの性能を引き出すには、たくさんのマシンを協調して動作させる「並列化」の技術や、コンピュータの内部の仕組みがよくわかっていないとできない高度な最適化技術が必要です。「京」のように、大きなコンピュータになるほど「職人芸」が要求されます。

アプリケーションの「寿命」

アプリケーションには寿命があります。例えば、従来のコンピュータには対応できていても、新しいコンピュータでは動かなかったり、せっかくの計算能力を活かしきれなかったりします。それを放置すれば誰にも使われなくなり、やがて存在を忘れられてしまいます。アプリケーションが生き続けるためには、誰かがプログラムを修正しつづけなければなりませんが、それを一人で続けるのは大変です。プログラムを公開すれば誰かが開発を引き継いでくれるかもしれませんが、プログラムには開発者のノウハウすべてが詰まっています。プログラムを公開するか、公開するならどういう形式(ライセンス)にするかは難しい問題です。

協力：渡辺宙志（東京大学物性研究所）