現在位置: ホーム torrent No.4 日本語版 産官学連携シンポジウム「界面と組織制御」から

産官学連携シンポジウム「界面と組織制御」から

2011年12月7日 場所:東北大学金属材料研究所

 

産官学連携の2つの流れ

講演後に、パネル討論「産官学連携に期待すること」が開かれました。パネラーは講演した3人と、香山正憲さん(産業技術総合研究所)、大谷博司さん(九州工業大学)、陳迎さん(東北大学)、司会は新日本製鐵の松宮徹さんが務めました。

新日本製鐵 まず、それぞれが経験した産官学連携がどんなものであったかを語ってもらい、ついで計算材料科学、工業の推進を考えたとき、どのような産官学連携を期待しているかという議題が投げかけられました。
澤田さんは、「学の人は、“企業側の産官学連携の目的は最終的なアウトプットを求めること”と思っている印象がありますが、大学には基礎的なところをしっかりやっていただきたい。それを、企業側が具体的なニーズに発想転換して、材料開発につなげていきたい」。中村さんは、「学がソフトウェアの適用範囲などを明確にしてくれると、それを使う立場の産業側の人に役に立ちます」と述べ、学は基礎づくり、活用は企業の能力でやるという産官学連携の一つの流れを示しました。
これに対して陳さんは、「産の視点から解決してほしい問題や実験データをいただけると、学が研究の焦点をどこに置くかを考えるとき、とても役立ちます」と、産官学連携のもう一つの流れを考えています。
香山さんは、「モノづくりの現場でどういう問題がおきていて、計算科学で解決できる課題はどこにあるのか。これを研究会などでオープンにしていただき、フランクに情報交換できる場があれば、生きのよいネタを使った計算ができます」と、情報交換への期待を語りました。